- 2025.10.13
書評 今井むつみ 秋田喜美『言語の本質』
中公新書、2023年。1100円 長澤淑夫 本書は言語の本質を明らかにすることによって、人間のコミュニケーションと動物のそれとのちがい、生成AIと人間の脳との違いを結果的に示す内容となっている。今井さんは認知科学、発達心理学の専門家、秋田さんは言語学者である。 二人が言語とは何を探る方法は、幼児 […]
中公新書、2023年。1100円 長澤淑夫 本書は言語の本質を明らかにすることによって、人間のコミュニケーションと動物のそれとのちがい、生成AIと人間の脳との違いを結果的に示す内容となっている。今井さんは認知科学、発達心理学の専門家、秋田さんは言語学者である。 二人が言語とは何を探る方法は、幼児 […]
横山道史(『市民の意見』編集委員) 本誌の特集である「1980年代」という「時代」は、私の小学校時代と重なる。幼少期は社会運動の空気を肌で感じるような機会に恵まれることはなかったし、ましてや80年代がどんな時代だったのかと問われても、それを語るほどの実感や体験に乏しいというのが率直なところだ。そ […]
天野恵一 6月21日の『東京新聞』、「大川原冤罪警視庁地検幹部が謝罪」の見出し記事は、こう書き出されている。 「機械製造会社『大川原化工機』(横浜市)の社長ら3人が逮捕・起訴され、その後に起訴が取り消された冤罪事件で、違法捜査を認めた東京高裁判が確定したことを受け警視庁の鎌田徹郎副総監と東京地 […]
岩波新書 2024年10月 天野恵一 本書のサブタイトルにある「昭和天皇拝謁記」とは、戦後の初代宮内庁長官となった田島道治の書き残した昭和天皇との対話の記録であり、両者のやりとりが詳細に残されている。それは49年から53年にかけてのものであり、占領期全体をカバーするものである。この「拝謁記」全文は […]
吉田敏浩著、岩波新書、2025年2月刊行、定価:本体960円+税 2025年度の予算案が異例の再修正を経て3月31日、年度内にギリギリで可決成立した。政府予算案が修正されたのは29年ぶりという。少数与党という国会情勢で、103万円の年収の壁、教育費無償化、高額療養費制度などの課題が、野党各党の思惑 […]
みすず書房、2024年5月、2600円+税 天野恵一 以前、ある研究(読書)会のテキストとして山本義隆の『近代日本一五〇年―科学技術総力戦体制の破綻』(2018年1月・新書)を読んだ時のことである。そこへの飛び入りの参加者で、私より一世代上ぐらいの年齢の男性が、山本が『福島の原発事故をめぐって―い […]
長澤淑夫 本書は昨年来明らかになった自民党の裏金問題を、第二次安部政権=「2015年体制」の政治・経済・外交・日米関係の総体との関連で論じた好著である。「『裏金』が『表』に出てみれば、これらすべてがつながって見えるようになってきました」と「はじめに」で金子さんは語っている。以下内容をざっと紹介し、 […]
タイトル:世界認識としての直接行動 箱田徹(神戸大学) こんにち「直接行動」にはさまざまな切り口がありうるが、少なくとも社会思想の歴史を研究してきた筆者にとっては、このテーマは人間の殺傷という意味での対人暴力をめぐる論争と実践の歴史と切り離すことができない。つまり、対人暴力を含んだ直接行動の歴史であ […]
鶴田雅英(相談支援事業所ここん/原爆の図丸木美術館) PP研のサイトで何か書くことになりました。「結論がなくても、内容がしょうもなくても、そんなことはわかってるから」というPP研の運営委員の複数のみなさんのやさしい励ましを受けて、久しぶりにPP研のサイトに書かせてもらいます。 使いまわしている感があ […]
WAVE出版、2024年、1600円+税 長澤淑夫 本書は、「人新世」を切り口として、幅広く、複眼的に人類史を論じた好著である。「地球環境の破壊といった外側からの異変とともに、さらに奥深い人間世界の変貌、一種の進化史的な変化として進行している」人新世は、複合的な変化(科学、技術、文化、経済)が驚 […]