いらないG7!やめろ!東京司法相会合  7・1集会(文京シビック シルバーホール) 参加記

いらないG7!やめろ!東京司法相会合  7・1集会(文京シビック シルバーホール) 参加記

(主催G7いらない!首都圏ネットワーク)                長澤淑夫


司会の京極さんの挨拶の後、太田昌国さんの話をきいた。テーマは「誰が、どんな立場で、『法の支配』や『人権』を語るのか?」だった。以下内容を要約して紹介する。

1)G7(G8)法相会合の出発点とその後の経緯

最初の法相会合の出発点である97年は、ペルー日本大使公邸占拠・人質事件に関わって「テロリズム」を非難するG8共同声明を発表した年で、この年は91年の湾岸戦争から6年、94年から96年のロシアの第一次チェチェン戦争と99年から2009年までの第二次チェチェン戦争の狭間の年に当たっている。戦争とテロをニ分し、国家の発動する最悪のテロを全面肯定し、小集団の「テロ」を全面否定し得るG8の論理的・倫理的根拠はどこにもない。01年の9.11以降は「国際テロ対策」を主要な課題として会合は毎年開催されている。14年のクリミア掌握以降、ロシアはG8の資格を停止されて現在に至る。

このG7の自己認識は「多元主義と代議制政府という共通の価値観で結ばれた、最も裕福な自由民主主義国」の首脳による会議であるが、構成国はカナダを除けば20世紀前半までの帝国主義「列強」である。こうした国々が世界の政治・財政・軍事・技術などの取り決めを行い、しばしば無関係の「グローバルサウス」にそれを押しつけていることは当該地域の反グローバリズムの運動団体から批判に晒されている。

2)「法の支配」を言うものたちの実像を、〈歴史的に〉捉える

「列強」は奴隷貿易、奴隷制 植民地支配、侵略戦争を行い、膨大な利益をあげてきた。ケインズは「本当のところ、フランシス・ドレイクが持ち帰った略奪品が、イギリスの海外投資の源泉となり基礎をとなった。エリザベス女王は、その配当金で外債を全部清算し、おまけに残金の一部をレヴァント会社に投資した。その収益を下に、17,18世紀を通じ、その利益からイギリスの海外会計の基礎がつくられたところの東インド会社が組織された。だから、エリザベス一世朝、ジェイムズ一世朝の経済発展と資本蓄積の実りの大部分は、コツコツ働く人間がもたらしたものというよりは、不当利得者のお陰である。」(「貨幣について」、1930年)

それは遙か過去のことでなく、奴隷制、黒人差別、新旧植民地主義の現実は社会に連綿と継続し、生き続けている。G7体制は、これら「過去」を振り返ることなく、「法の支配」を公言する独りよがりの傲慢さの延長上にある。

3)「基本的人権の尊重」を言うものたちの姿を、〈状況的=現在的に〉捉える

戦争の発動は最悪の国家テロである。と先に記したが、それを証す、数字を挙げてみる。2001年から20年間続いた「対テロ戦争」を、米ブラウン大ワトソン国際公共問題研究所の報告書から視点を変えてまとめると、アフガニスタン、イラク、パキスタン、シリア、イエメン、リビア、ソマリアの7ヶ国の死者は20年間で450万〜460万と推定、戦闘による死者は90万人、360万〜370万人は、経済破綻、医療インフラの崩壊、環境汚染等による間接的死者。アメリカの戦費は対テロ戦争で8兆ドル(881兆円)、対イラク戦争で2兆8900億ドル(380兆円)にのぼる。

■米国主導の「対テロ戦争」に、日本を含めたG7諸国は積極的に加担した。「法の支配」や「基本的人権の尊重」という彼らの謳い文句は、自らの利害を賭けて、融通無碍に操作されるものであることがこれでわかる。

4)今回の、ASEAN法相会合も同時に開かれることの意味づけ

法務省はASEAN法相会合を「インド太平洋における法の支配の推進に向けたG7とASEANの法務・司法分野での連携」というテーマで開き、価値観の共有と信頼関係を構築するというが、シンガポールのウン・エヘン国防相は「日本は歴史問題で近隣諸国との間で『未解決の敵意』を抱えている」(23/6/04 アジア安全保障会議での発言)とし、危惧を表明している。

5)「国家」の枠組みを離れて、自由に考えるものたちが作り出している「法の支配」と「基本的人権の尊重」の世界的水準は、どこまで到達しているか

1960年代以降の半世紀有余、国連の場で労働者、子ども、女性、老人、障がい者、先住民、少数民族、難民にいたるまで、社会的公正さを欠く処遇をうけてきた社会層の権利を確立し、擁護する国際条約の締結が実現してきている。国家の政治は男性基準だったから、「弱者」の権利擁護運動は民間団体主導で行われ成果を上げてきた。これら国際人道法の成立過程から、安保理常任理事国やG7体制などに牛耳られる国際政治の在り方を無効化する可能性を見いだすことができる。

6)基本的人権の尊重と死刑制度

 憲法9条で戦争放棄する日本には死刑制度が存続し、それを廃止・休止した諸国には自衛戦争を合法化しているというネジレが存在する。EU加盟は死刑廃止が条件であること、日豪部隊間協力円滑化協定/日英部隊間協力円滑化協定においては日本に死刑制度があることから、この協定締結はもめたこと。結局、日本で豪英兵士が死刑を予想する犯罪を犯した場合の特別規定が設けられたという興味深い話題で全体の話を終了した。【以下、レジュメの一部を紹介:1989年 国連総会は「死刑の廃止を目指す市民的および政治的権利の関する国際条約」(略称:死刑廃止国際条約)採択

1991年 同条約、発効(日本は未批准)■死刑廃止国の推移1950/8ヶ国→2020年/106ヶ国 事実上の廃止国を加えると144ヶ国】

 質疑応答では、難民に関する日本の状況など議論され、欧州右翼が日本の入管法や難民の処遇を見習おうという動きを危惧とともに太田さんは紹介した。

集会の最後は、筑波からのアピールと伊藤五律さんへの右翼襲撃に連帯して抗議する訴えがあり、続いてラッパさんの自作「G7 no G7」と「頑張ろう」を歌い集会は盛況のうちに終了した。

お知らせカテゴリの最新記事