池上 彰/佐藤 優『日本左翼史』(全3冊、講談社現代新書)
日本の左翼の元気のなさは、深刻である。左翼の運動と政治勢力は、なぜ、ここまで衰弱してきたのか。その欠陥や問題点を歴史的に直視し、再生への足がかりを見いだす作業が切実に求められている。しかし、日本の左翼の歴史について学んだり討論するのに役立つテキストは、なかなか見当たらない。そうした事情から、池上×佐藤『日本左翼史』は1冊目が10万を超えるベストセラーとなった。しかし、その内容に関しては、見過ごすことのできない問題点や欠落が目立つ。そこで、左翼の歴史的な総括の仕事を前に進めたいという立場から、書評対談(第1回)を行なった。ここでは、1960年代後半の新左翼運動を中心に、全共闘運動や反戦青年委員会、政治的暴力などについて論じている。コメントや感想を寄せていただければ幸いである。
なお、書評対談は、違ったテキストを扱いながら続ける予定である(白川真澄)。
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▼目次
00:00 本書の特徴 (天野)
05:36 戦後左翼史の概括(白川)、反戦青年委員会(天野)
07:42 読後の感想(白川)、新左翼運動、労働運動の概括(白川)
10:46 全共闘運動の意味(天野)
11:40 「左翼」はなぜここまで衰退したか(白川)
12:39 政治組織の暴力について(天野)、協会派の「平和主義」とは(天野、白川)
16:30 60年代後半の運動の評価(白川)
20:30 社会党をどう考えるか
24:38 「政治と暴力」をどう考えるか
29:50 左翼(運動)の現状をどう見るか
33:49 日本の「構造改革派」は何だったのか
38:42 対談を聞いて(池田祥子さん)
43:53 終了
>書評対談 第2回 『日本共産党の百年』を読む 武藤一羊 X 白川真澄