みなさま。7月14日(日)に第18回経済・財政・金融を読む会を開催しますので、案内をさせていただきます。今回は、ケアの問題をテーマとして扱います。
いま人口減少・少子高齢化が急速に進むなかで、ケア(医療・介護・子育てなど)の必要性が高まっています。しかし、ケアの仕事に対する社会的評価はけっして高くなく、いぜんとして不当に低い評価が続いています。ケアを女性の家事労働の延長線上にある‟誰でもできる仕事”と見なして低い報酬しか支払わない現在の社会は、若い人びとがケアの仕事に就くことを躊躇させ、ケアの担い手が大幅に不足する危機を招いています。「人手不足により十分な介護を受けられなくなる心配」を感じる人は、89%にも達しています(朝日新聞24年5月4日)。
こうした状況のなかで、フェミニスト経済学や脱成長論からは「ケアを中心にした社会」という構想が強く打ち出されています。そこでは、「正義論」やホモエコノミクスに代表される自立し合理的な判断能力をそなえた近代的人間像を根底から問いなおし、人間をつながりのなかでしか生きられない他者依存的な存在として捉える作業が試みられています。なぜ、ケアが社会の中心に据えられるべきなのか。岡野八代『ケアの倫理――フェミニズムの政治思想』は、この問題をフェミニズムの流れを整理しながら明らかにし、ケアの倫理が正義や民主主義の再生のためにも必要不可欠だと主張しています。
今回は、これをテキストにしてケアの意味や役割について論じあいたいと思います。このテーマに関心のある方は、下記よりお申込みください。(白川真澄)
第18回経済・財政・金融を読む会
- 日時:7月14日(日) 13:30~16:30
- テキスト:岡野八代『ケアの倫理――フェミニズムの政治思想』(2024年、岩波新書)
- 報告:柴垣顕郎さん
- 形式:オンラインでの会合/事前にお申込みください
- 参加費:無料
オンライン形式で行いますので、参加をご希望の方は下記のボタンよりお申し込みをお願いします。