23.11.23 国会前アピール

23.11.23 国会前アピール

自衛隊馬毛島基地建設が進められている種子島から、和田香穂里(前西之表市議会議員)が国会正門前にアピールを届けます。事情により東京に駆けつけることができなくなったので、宮古の清水早子さんに代読をお願いします。

(写真は清水早子さん提供)

今この国は戦争へと突き進んでいます。その先頭に押し出されているのが沖縄や九州の島々、琉球弧です。宮古、石垣、与那国、奄美などの島々ではミサイル配備や自衛隊基地機能の増強など、防衛力や抑止力を超えた対処能力の拡大と、文字通りの最前線が想定されています。シェルターなどと横文字で誤魔化しつつ防空壕を作るだの、実現不可能な住民の避難計画だのが、まじめな顔で語られているのです。また大掛かりな自衛隊演習や日米合同演習で、戦車が公道を走ったり、民間空港で戦闘機が訓練するなど、戦時と見まがう光景が日常の中に入り込んできています。私の住む種子島では自衛隊馬毛島基地の建設が異例の突貫工事で進められています。馬毛島はこれまで軍事施設が無かった無人島を丸ごと基地にして、日常は戦闘機のタッチアンドゴーなど戦争のための訓練が行われ、米軍の空母艦載機の離着陸訓練FCLPに使われます。そして戦争となれば、武器・弾薬・人員・物資などを集めて戦闘地域に展開する集積拠点として、戦争を続けるための継戦能力を担わされるのです。戦争は二度としないと明記した憲法を持ちながら、私たちの国は再びの道を進もうとしている、その大きな危機感をまず訴えます。
今この国は戦争へと突き進んでいます。その先頭に押し出されているのが沖縄や九州の島々、琉球弧です。宮古、石垣、与那国、奄美などの島々ではミサイル配備や自衛隊基地機能の増強など、防衛力や抑止力を超えた対処能力の拡大と、文字通りの最前線が想定されています。シェルターなどと横文字で誤魔化しつつ防空壕を作るだの、実現不可能な住民の避難計画だのが、まじめな顔で語られているのです。また大掛かりな自衛隊演習や日米合同演習で、戦車が公道を走ったり、民間空港で戦闘機が訓練するなど、戦時と見まがう光景が日常の中に入り込んできています。私の住む種子島では自衛隊馬毛島基地の建設が異例の突貫工事で進められています。馬毛島はこれまで軍事施設が無かった無人島を丸ごと基地にして、日常は戦闘機のタッチアンドゴーなど戦争のための訓練が行われ、米軍の空母艦載機の離着陸訓練FCLPに使われます。そして戦争となれば、武器・弾薬・人員・物資などを集めて戦闘地域に展開する集積拠点として、戦争を続けるための継戦能力を担わされるのです。戦争は二度としないと明記した憲法を持ちながら、私たちの国は再びの道を進もうとしている、その大きな危機感をまず訴えます。

そしてこれらの戦争準備は、地元の反対の声を聴かず、不安や疑問に答えることも無く、強引かつ性急に進められてきました。選挙や住民投票や署名活動で示された民意はことごとく無視・無力化され、「防衛」や「特殊な事情」を盾に説明も行われない、これは住民に対してだけではなく、自治体に対しても同じです。首長や議会が反対しようが賛成だろうが関係ありません。こうして自治そのものが踏みにじられ壊された先には、「お上のすることには逆らっても無駄、黙って従っていればいい」という、かつての戦争を支えた見えない土台ができあがってしまうのです。いずれ「戦争反対」という言葉すら口にできなくなるでしょう。

ちなみに今種子島では、基地建設による様々な混乱が起きています。最大6000人と言われる作業関係者が馬毛島だけでなく種子島に住むことになる、ホテルは満杯、家賃は高騰、農林業から馬毛島関連に人が流れ、漁業者は漁に出ないで作業員の送迎、街にはコンテナハウスが立ち並び、ゴミは溢れ交通量は増え、帰省や観光客は宿が取れず、転入希望者は住まいが見つからず、店からは地場産の魚が姿を消し、基地完成後にはおそらく田畑や山林は荒れ放題になるでしょう。このような混乱はこれまでも宮古でも石垣でも繰り返されてきました。自治だけではなく地域の暮らしそのものが破壊されているのです。

さらにこの戦争準備には巨額の税金が投じられているのに、国会で取り上げられることがほとんどありません。たとえば馬毛島基地に関しては、その工事は随意契約のオンパレードで、予算は天井知らずと言われても、国会の審議を経ていないので、予算根拠は闇の中です。防衛費が巨大化していく半面、福祉・教育・医療をはじめ、私たちの暮らしは目に見えて苦しく貧しくなっているのに、一方で例えば米軍再編交付金などの基地関連交付金が小中学校の給食費や、18歳までの医療費の無償化に使われている。こんな無茶苦茶な税金の使われ方は民主主義の崩壊でしかありません。

戦争準備と、地域の暮らしや自治の破壊と、民主主義の崩壊、それら全てが怖ろしい勢いで進んでいる南の島々に暮らす私たちは、すでに戦前を迎えているという危機感に居ても立っても居られずにいます。この国会前で、声を張り上げ、拳を突き上げ、政治の中心だけでなく都市部の人々にも訴えるために、南の島々からの思いを届けます。この思いも行動も、決して「争い」や「負のエネルギー」なんかではありません。理不尽な政治への怒りと、人としての尊厳と、未来への責任と、大切なふるさとや大切な人たちへの愛を背負っての「熱い闘い」だということを、ここに集まった皆さんと共有できれば嬉しいです。

共に闘いましょう!

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