ドイツにおける極右地方政権への道? ―欧州議会選挙を振り返る 2024年7月1日 木戸 衛一(大阪大学招へい教授) はじめに 2024年6月6~9日、欧州連合(EU)加盟27カ国で、第10回欧州議会選挙が実施された。周知のように、多くの国、なかでもフランス、ドイツ、オーストリアで「自国ファースト」の極右勢力が躍進した。 本来不戦共同体として始まったはずの欧州統合は、EU発足当 […]
新しい学生運動の爆発的出現とアメリカ帝国権力の動揺——パレスチナの復権と〈反ユダヤ主義〉狩りの無力化 2024年5月27日 武藤一羊 5月11日の朝、以下のニュースに出会った。 【ワシントン時事 5月11日】 バイデン米政権は10日、パレスチナ自治区ガザで戦闘を続けるイスラエル軍について、米国製武器を国際人道法に違反する形で使用していると「評価することが合理的だ」と指摘する報告書をまとめ、議会に提出した。 【朝 […]
「日本の経済成長が復活する」と大はしゃぎする人たち 2024年3月20日 ――労働力不足時代の経済は、いかにあるべきか 白川真澄 大企業の利益は過去最高を更新し、日経平均株価は急上昇し続けてバブル期の史上最高値まであと少しに迫る。その一方で、GDPは30年間の「長期停滞」の帰結としてドイツに抜かれて4位に転落し、実質賃金 […]
政党の財政基盤をめぐる新しい政治改革のために―公的助成と自主財源をめぐって 2024年3月1日 大井赤亥(広島工業大学非常勤講師) はじめに 2024年の政局は自民党の派閥裏金問題で幕を開け、1993年の政治改革から30年をへて、あらためて政治の刷新が問われる年となった。 裏金問題の発端は2022年11月の「しんぶん赤旗」による告発記事にさかのぼる。それによると、自民党の5派閥が開催してきた政 […]
ドイツはどこへ行くのか? 2023年12月24日 木戸衛一(大阪大学招へい教授) はじめに カール・ヤスパース晩年の著作に、『連邦共和国はどこへ行くのか?―事実・危険・好機』(1966年)がある[1]。かつて反全体主義・反共主義の闘士だった彼はこの書で、西ドイツにおいて、民主主義から政党寡頭制への構造変化、さらには政党資金への国家補助や大連合政権 […]
支離滅裂の岸田「経済対策」 2023年12月10日 白川真澄 岸田政権の支持率の低落がどうにも止まらない。マスコミの11月の世論調査では軒並み3割を切って(毎日:21%~NHK:29%)、危険水域に入った。この政権の先が長くないことを告げる。さらに、パーティ券裏金作り問題が追い打 […]
日米比軍事同盟の深まりを憂慮する座談会 2024年7月6日 参加者 白川真澄(ピープルズ・プラン研究所)木元茂夫(ピース・デポ理事)大橋成子(ピープルズ・プラン研究所)武藤一羊(ピープルズ・プラン研究所)司会:長澤淑夫(ピープルズ・プラン研究所) 司会:本日は木元さんをお迎えして、現在、日米比の間で進行する軍事同盟の危険な展開とその問題点を議論する座談会を行 […]
介護保険の崩壊~~形骸化された「介護の社会化」 2024年4月22日 白崎朝子(介護福祉士・ライター) 2024年4月10日。花吹雪を見つめながら、遅かった春の到来を感じていた朝。朝日新聞の一面トップ記事に、絶句した。 「介護保険料6500円以上が半数 74自治体調査 6割超が引き上げ」とあり、なんと大阪市の介護保険料は92 […]
1・13パレスチナ連帯行動:東京 2024 2024年1月18日 小泉雅英 https://youtu.be/BzMyAAwvoNY 当日の動画です。 1月13日、英国のパレスチナ連帯キャンペーンなどの呼びかけで、「ガザ連帯グローバル行動デー」として、日本でも各地で抗議行動が行われたが、東京での二つの行動に参加した。 (写真1)新宿駅東南口前広場に多数の人々が結集 […]
23.11.23 国会前アピール 2023年11月28日 自衛隊馬毛島基地建設が進められている種子島から、和田香穂里(前西之表市議会議員)が国会正門前にアピールを届けます。事情により東京に駆けつけることができなくなったので、宮古の清水早子さんに代読をお願いします。 (写真は清水早子さん提供) 今この国は戦争へと突き進んでいます。その先頭に押し出されているの […]
ガザ虐殺糾弾!イスラエル大使館への抗議行動 2023年11月8日 2023/11/04 (小泉雅英) 仕事の後、麹町での「ガザ地区停戦 緊急行動」に駆けつけた。午後2時半頃、麹町駅改札から地上に出ると、すでに歩道はぎっしり。 佐高信さん、雨宮処凛さん、神田香織さん、パレスチナを取材した若者、落合恵子さんのメッセージと、それを代読した青木美希さん(『地図から消され […]
G7にNO!ー軍都広島で見たこと、考えたこと 2023年6月10日 京極紀子(G7いらない!首都圏ネットワーク 「G7広島サミットを問う市民のつどい」実行委員会) 今年、日本は7年ぶりのG7議長国で、5月19日から21日の3日間、広島で首脳会合(サミット)が開催された。 広島現地では、広島のみなさんを中心に「G7広島サミットを問う市民のつどい」が準備され、実行委 […]
日米比軍事同盟の深まりを憂慮する座談会 2024年7月6日 参加者 白川真澄(ピープルズ・プラン研究所)木元茂夫(ピース・デポ理事)大橋成子(ピープルズ・プラン研究所)武藤一羊(ピープルズ・プラン研究所)司会:長澤淑夫(ピープルズ・プラン研究所) 司会:本日は木元さんをお迎えして、現在、日米比の間で進行する軍事同盟の危険な展開とその問題点を議論する座談会を行 […]
フィリピン 反乱鎮圧が続く中、和平交渉の行方は? 2024年1月26日 本稿は、フィリピンの人権問題に取り組むStop the Attack Campaignのメールマガジン(2023年12月)から転載したものです。 大橋成子(ピープルズ・プラン研究所、APLA理事) 2023年11月23日、フィリピン政府とフィリピン民族民主戦線(NDFP)は、同時に記者会見を行い、両 […]
今、ラテンアメリカで何が起きているのか?ー民衆運動の現在と課題 2023年9月2日 太田昌国氏 講演 <概要説明> 1980年代からボリビア「ウカマウ集団」の映画作品を、日本で独自に紹介・上映してきた太田昌国(シネマテーク・インディアス)が、1970年代の現地滞在以来の経験と考察を基に、「今、ラテンアメリカで何が起き […]
「大地の蜂起」をめぐって アンドレアス・マルム 2023年7月7日 (箱田徹・訳) 「大地の蜂起が実は危険なテロリスト集団だという印象を与えるために、フランス政府は教祖をでっち上げざるをえなかった」 『パイプライン爆破法』の著者アンドレアス・マルムが語る。 大地の蜂起[i]への解散令でジェラルド・ダルマナン内務大臣に言及されたスウェーデンの著述家アンドレアス・マルム […]
米中覇権争いの構造と展望 2023年4月5日 金子文夫 はじめに 21世紀に入り、米国の総合国力の低下と中国の台頭によって、世界の覇権構造(「国際秩序」)に大きな変動が生じつつある。米国の政治学者グレアム・アリソンは、新興国が覇権国に挑戦するとき、危険な緊張、衝突が生じうる […]
グローバル大学 第9回「南南フォーラム」が開催されました 2022年8月21日 グローバル大学は、ピープルズ・プラン研究所の古い友人である香港嶺南大学のラウ・キンチたちが中心に主宰する、ウェブサイトを利用した市民大学です。世界各地の社会運動家・研究者が参加しています。毎年夏には、グローバル大学主催の集中講座South South Forumが開催され、今年は第9回を迎えました。 […]