2025年 8・15 市民文化フォーラム「戦後80年 運動の経験と市民の力」参加記

2025年 8・15 市民文化フォーラム「戦後80年 運動の経験と市民の力」参加記

長澤淑夫 PP研

 今年は平野靖識(三里塚歴史考証室代表)さんと水沢澄江(辺野古カヌーチーム)さん、菅井益郎(国学院大学名誉教授、反公害・反原発運動)さん、久道瑛未(弁護士、元SEALDs TOHOKU)さんの話と討論だった。平野さんは、戦争の反省にたった自身の受けたストレートな戦後民主主義教育に触れた後、三里塚の運動の経過と現状を語り、政府のコトバや隅谷調査団の約束がいとも簡単に反故にされることの問題を提起した。水沢さんは、「強き力に対し、弱きカヌーでたたかう」意義を語り、阿波根昌鴻さんの非暴力の闘いから始まる反基地闘争への連なりに触れながら、昨今戦争準備が急速に進む沖縄の現状を語った。彼女の報告は写真を多用し、大浦湾でのカヌーや実際に使用している馬鹿でかい埋め立てのための機械や船を示し、ドローンで撮影した工事の現状を説明して臨場感たっぷりだった。さらに地図や海底断面図で軟弱地盤がわかりやすく示された。完成しそうもなく、ひょっとしたら米軍も使わないかもしれない基地にこれほど巨費がつぎ込まれるのは、ゼネコンやセメント会社、警備会社の儲け(1日の警備費2600万円)のためではと語って説得力があった。

 三人目の久道さんはぐっと若く、話の内容も、陰謀的SNSやショート動画に惹きつけられる若者や中年にも人権、平和、憲法の価値を説く新しい方法を示して新鮮だった。”NO YOUTH NO JAPAN” ”WE WANT OUR FUTURE” 、”FIFTYYS PROJECT”など若者が発信し活動している平和運動、民主主義活動を紹介した。フィフティーズ・プロジェクトは女性議員を増やす運動で、着実に成果を上げていることが報告された。さらに世田谷で小さな『民主主義博物館』を立ち上げた日本若者協議会の紹介はとても興味深い。

 一旦休憩の後、菅井さんは新潟の反原発運動の現状や栃木で田中正造を小学生が学ぶ試みが連綿と続いていて、菅井さんの仲間に教育委員会から講師依頼が入ることを紹介し、また久道さんの話に触発され、若者の新しい運動の応援を老人は是非しましょうと語った。

 参加者は圧倒的に年配の人が多かったが若者の新しい運動が、このフォーラムで示されたことは大変よいことだと感じた。最後に「LandBack実行委員会」よる『2025 沖縄プロテスト』(9月25日から9月28日)の呼びかけが行われた。辺野古ゲート前 嘉手納基地行動など200人が参加すればかなりの効果があるとアナウンスされた。呼びかけ人の在京沖縄人女性は在京パレスチナ人とともにこの行動を提起し、奪われた土地を共に取り返す運動を組織しているとのこと。なんとも頼もしい行動提起だった。(問い合わせ Instagram/facebook:@landback.okinawa)

  私に見えなかった新しい運動が見えたと実感したフォーラムだった。

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