みなさま。次回の経済・財政・金融を読む会は、7月26日(土)の13時30分~16時30分に開催します。
2%を超えるインフレが人びとの生活を苦しめているなかで、参院選に向けてすべての野党が食料品の消費税減税を柱にした減税の主張を競いあい、減税ポピュリズムが吹き荒れています。また、石破政権は、物価上昇を上回る賃金の上昇、つまり実質賃金の上昇を「骨太の方針」の柱の1つにしようとしています。賃上げをめぐっては、生産性の上昇こそが賃金の引き上げの鍵だという言説がまかり通っています。
この通説に対して、日本では24年間で生産性が30%上昇したにもかかわらず、実質賃金はまったく上がらなかったという現実を突きつけて反論したのが、河野龍太郎『日本経済の死角』です。この著書では、大企業が膨れ上がる利益を賃上げにも設備投資にも回さず内部留保で積み上げる収奪型の経済構造を批判しています。トランプの高関税政策が、自動車の対米輸出に主導されてきた日本経済を直撃し、その転換を迫っている現在、どのような経済のあり方が求められているのか。考えてみたいと思います。(白川真澄)

第21回「経済・財政・金融を読む会」
- 日時:7月26日(土) 13:30~16:30
- テキスト:河野龍太郎『日本経済の死角――収奪的システムを解き明かす』(2025年、ちくま新書)
- 報告者:千村和司
- オンラインでの報告と討論
- 参加費:無料
オンライン形式で行いますので、参加をご希望の方は下記のボタンよりお申し込みをお願いします。