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福島第一原子力発電所事故に関する日本キリスト教協議会声明
2011年4月11日

内閣総理大臣菅直人様
日本キリスト教協議会
議長輿石勇

 2011年3月11日に起きた東北太平洋沖地震と津波によって、東京電力福島第一原子力発電所で取り返しのつかない事故が起き、また現在も続いています。人類で初めて原子爆弾による被害を受け原子力の猛威を自ら体験したゆえに、脱原発社会を目指すはずの日本に住むキリスト者として、脱原発という方針を掲げている日本キリスト教協議会(31のキリスト教教団・団体のネットワーク)は改めて以下のように自らの信仰的立場を明らかにします。

わたしたちは抗議します。

 原発震災や事故について想定できたにもかかわらず、日本政府が「安全神話」を根拠に原子力行政を続けてきたことに抗議します。東電従業員を含む労働者の被曝、住民の被曝、環境への放射能汚染の第一の責任は日本政府にあります。また、必要とされる適切な情報を開示しないこと、労働者や食料品の被曝線量の安全基準数値を任意に引き上げることにも抗議します。

わたしたちは悔改めます。

 わたしたちは原子力発電が人間の手に負えるものではないこと、環境破壊行為であることを指摘してきました。それは科学を絶対化する偶像崇拝であり、神の創造のみわざに対する冒涜だからです。原子力行政は、人々の消費欲求を作り出し、拡大することですすめられ、そのために消費能力の弱い者に負担を押しつけてきました。また一部企業の収益増加につながる原子力の軍事利用と結びついた非人間的な政策です。そのことをわたしたちはこれまで指摘してきました。それにもかかわらず原発を止めることができずにいる自らの怠慢を神に懺悔します。創造主から「土に仕える」(創世記3章23節)使命を与えられたものとして、わたしたちは改めて原発の廃止に向けて努めます。それが未来世代への私たちの責任です。

わたしたちは要望します。
 
・ただちに国内における原発および関連施設の全廃を決定し、可能な限り速やかに停止し、廃止するための作業を進めてください。また国外に原発を輸出しないでください。

・継続中の事故の処理、放射性廃棄物の処理、事故の原因究明を、誠実に、同時に労働者の人権を擁護しつつ行なつてください。

・情報を管理することによって思想を統制しないでください。むしろ、事故の状況や放射能汚染に関する正確な情報を開示してください。

・ 正確な計測に基づいて、高濃度の放射能に汚染された地域住民を政府の責任において強制避難させてください。また事故によって損害を受けたすべての人に誠実な謝罪と損害賠償を行なってください。

「被造物がすべて今日まで、共にうめいていることをわたしたちは知っています。」ローマの信徒への手紙8章22節

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