メニュー  >  2022年参院選の結果と問われること
                 2022年7月25日 白川真澄

【投票率】
52.05% ← 48.80%(19年):3.25%アップ ※54.70%(16年)、52.61%(13年)
投票者数 5302万人 ← 5167万人(19年):135万人増 ※5809万人(16年)

【獲得議席】
政党名     今回(比例) 改選議席  増減   19年(比例)  新勢力
自民        63 (18)   55    8   57(19)    119
無所属(与党系)   1      2    −1            1
公明        13 (6)    14   −1   14(7)     27
維新        12 (8)   6   +6    10 (5)      21
国民        5 (3)   7    −2    6(3)     10
立憲        17 (7)   23    −6    17(8)    39
共産        4 (3)   6    −2    7 (4)       11
社民        1 (1)   1    ±0    1 (1)      1
無所属(野党系)  4      6    −2    9       11
れいわ       3 (2)   0    +3    2(2)      5
N党        1 (1)    0    +1    1 (1)      2
参政        1 (1)              0        1

自・公・維・国  93 (35)   82    11    87(34)    177
野党4党     25 (13)   30   −5    27(15)     56

全議席
自・公・維・国・無(保守)  94+83(非改選)=177 ※3分の2は166

【比例区の議席と得票】
       得票  得票率   19年得票/得票率   16年/得票  
自民     1825万 34.4%    1771万 35.4%    2011万  
公明     618   11.7     654  13.1      757  
維新     784   14.8     491  9.8      515   
国民     315   5.9      348  7.0
立民     677   12.7     792  15.8      
(立・国)              (1140)(22.8)    (1175) 
共産     361   6.8      448   9.0       602   
社民     125   2.3      105   2.1      153   
れいわ    231   4.3      228   4.6
N党     125   2.3      99   2.0
参政     176   2.3

 ※野党4党の比例票は1396万票で、前回より177万票減。

【概括】
1 各政党の議席と得票
(1)自民党は改選議席を大幅に上回り、改選議席の単独過半数を獲得する圧勝であった。比例区では54万票伸ばしただけで、前回より1議席減らし得票率も1.0ポイント落としたが、選挙区での圧倒的な優勢が圧勝をもたらした。
(2)公明は、比例区では36万票減らし、前回より1議席減らした。16年以来の得票の漸減傾向に歯止めをかけることができなかった。自公を合わせると、比例区では2443万票で、18万票の微増になる。
(3)維新は、改選議席を倍増して躍進した。比例区では前回よりも293万票増やし、議席も3議席増で、立民を抜いて野党で第1位になった。ただし、首都圏(東京、埼玉)と愛知・京都・福岡の大都市では議席を獲得できず、立憲を上回る「野党第1党」の目標は達成できなかった。安倍銃撃事件の影響もあって、自民党支持層から支持を奪い取るまでには至らなかった。
(4)立憲は、改選議席から6も減らし敗北した。比例区でも115万票減らし1議席減となった(21年総選挙の比例代表の得票1149万票、得票率20.0%からは、472万票減、7.3%ダウンと激減)。国民も、改選議席から2減らし、比例区でも33万票減となった。
(5)共産は、改選議席から2減らし、比例区でも87万票減らし1議席減となった。16年の602万票台から、ついに400万票(21年総選挙の比例代表では416万票、得票率7.25%)を大きく割るまでに後退した。その衰弱は、危機的である。
(4)れいわは、左派・リベラルのなかでは唯一議席を増やしたが、比例区での得票は横ばいで230万票、得票率4.6%という壁を超えられなかった(なお、21年総選挙の比例代表でも221万票、得票率3.86%であった)。19年参院選・21年総選挙での初登場の際の熱気や勢いがさらに増すことはできなかった。
(5)社民党は、比例区で前回よりも20万票増やして得票率2%を超え、1議席を死守した(21年総選挙の比例代表では101万票、得票率1.69%と、2%を割っていた)。社民党を消すな!という危機感が得票を押し上げた。
(6)参政党は、初登場で176万票を獲得し、1議席を得た。

2 政治的構図の変化
(1)2010年代の日本の政治は、保守(自民・公明)3割弱、ネオリベ「改革」1割弱、左派・リベラル2割弱、無党派(棄権を含む)4割という構図が続いてきた。今回の選挙結果は、保守2443万票、ネオリベ「改革」(維新・国民)1099万票、左派・リベラル(立・共・社・れ)1394万票であった。保守3割弱は変わらず、ネオリベ「改革」が1割強に増え、左派・リベラルが2割から1.5割弱に後退する変化が生じた。
(2)左派・リベラル派は、東京では3議席を獲得し保守3議席と互角に渡り合ったが、大阪では全敗、神奈川でも事実上の全敗(3年議席のみ立民)に終わった。

3 32ある1人区では、野党が4勝28敗と惨敗した(13年の2勝29敗以来の敗北に逆戻り)。
(1)前回はすべての1人区で野党統一候補を擁立して10勝22敗(16年は11勝21敗)であったが、今回は野党統一候補の擁立は11にとどまった。
(2)野党統一候補を擁立した選挙区でも、新潟と岩手で痛い敗北を喫した。
(3) 沖縄では、基地撤去派の伊波が接戦を制して勝利。

4 世代や政治傾向ごとの投票の特徴
(1)無党派層の投票の動向
 *朝日新聞の出口調査では、無党派層(全体の15%)の投票先は、自民22%、公明6%、維新15%、国民8%、立憲12%、共産7%、れいわ8%であった(朝日7月11日)。保守28%、ネオリベ「改革」23%、左派・リベラル27%と、ほぼ3分される。
(2)内閣不支持層の投票先
 *朝日新聞の出口調査によれば、岸田内閣を支持しない層の比例区投票先は、立憲21%、れいわ10%、参政8%、国民7%、社民4%であった(共産は?)。参政がれいわに次いで多い8%であったことが目立つ(朝日7月12日)。
(3)世代別の投票先
 *朝日新聞の出口調査によれば、自民党はすべての世代で36%(20代)〜38%(50代、70歳以上)の支持を安定的に獲得している。
*立憲は、60代で13%、70歳以上で16%の高い支持を獲得したが、50代と20代で11%、40代と30代で10%、10代で12%と支持が低くなっている。しかも、前回よりも50代で6ポイント、60代で7ポイント、70歳以上で3ポイントも支持を減らしている。
*維新は、40代で16%、50代で15%の高い支持を獲得したが、30代と60代では14%で、20代で10%、70歳以上で11%と支持が低くなっている。前回よりも40代で4ポイント、50代で4ポイント、60代で4ポイント支持を増やしている。
*共産は、70歳以上で8%と最も高い支持を、60代でも7%の支持を得ているが、40代では4%、それ以外の世代では5%の支持にとどまっている。
*れいわは、20代と40代で7%と最も高い支持を獲得し、10代と30代と50代で6%の支持を得ている。しかし、60代では3%、70歳以上では2%の支持しか獲得していない。また、前回よりも10代では2ポイント、20代では1ポイント支持を減らしている。
 *参政は、10代で7%、20代で6%と最も高い支持を獲得し、れいわと互角である。30代と40代で5%、50代で4%、60代で3%と、世代が高くなると支持が減っている。
 (朝日7月12日)
 *共同通信の出口調査によれば、自民は比例区で30〜50歳代では投票全体の39.1%、60歳以上で39.8%と、前回(19年)から約1%支持を増やしたが、逆に30歳未満では37.8%と前回より約3%減らし(16年からは4.7ポイント減)4割を切った。
 *同調査によれば、20歳代の比例区の投票先は、自民が前回より3.5ポイント減、公明が2.8ポイント減、立憲が1.6ポイント減、共産が0.9ポイント減、れいわが1.2ポイント減と支持が下がった。逆に、維新が0.7ポイント増、国民が3.9ポイント増と支持を増やし(それぞれ投票全体の10.5%)、参政が5.9%を獲得し共産を上回った。
(日経7月17日)

5 女性の進出
(1)女性の当選者は35名で、前回よりも7名増えて過去最多となった。全当選者に占める女性の割合は28%で、16年の23.1%を上回った。
 *政党別では、自民13名(当選者の21%)、立憲9名(同53%)、公明2人(同15%)、維新3名(同25%)、共産2名(50%)、国民2名(40%)などとなっている。


【コメント】
1 自民党の圧勝/急激な物価高が政権与党に打撃を与えなかったのは、日本の政治の例外的な異常さを示している。
(1)世界的なインフレの波は、政権与党に打撃を与えている。
 *フランスでは、消費者物価上昇率(前年同月比)が1月の2.9%から4月の4.8%、5月の5.2%と急速に上昇(ユーロ圏平均よりは低いが)。そのなかで、4月の大統領選で国民連合のルペンが物価対策として付加価値税の0%への引き下げを主張し、貧困層の支持を集めてマクロンを追い詰めた。さらに5月の国民議会(下院)選挙では、マクロン率いる与党連合が議席を346から245に減らし過半数を割り込んだ。メランション率いる左派連合が最低賃金の大幅な引き上げを掲げて131議席を獲得した。ラジオ「フランスアンフォ」が6月16日に報じた世論調査では、67%の国民が物価高への不安を抱えている(「日経」6月19日、6月21日)。
 *イギリスでは、5月の統一地方選挙で保守党が敗れた。その後、政府は石油・ガス会社に課税して家計への光熱費支援に充てる対策を打ち出した(「日経」6月19日)。
 *米国では、5月の消費者物価上昇率が8.6%になり、政治サイトの「リアル・クリア・ポリティカル」によれば、バイデン政権の支持率は40%を下回り、不支持率は50%を上回る。利上げだけで、インフレ対策が不十分だという批判が強まり、このままでは、11月の中間選挙での上下両院の過半数を失う可能性が高まっている(「日経」6月21日)。
 *スリランカでは、物価上昇率がコロンボでは40%に迫るなかで、民衆が大統領公邸を占拠し、ラジャパク大統領は辞任に追い込まれた。
(2)日本でも、エネルギーと食料品を中心に消費者物価が上昇し、人びとの不安と政見の物価対策への不満が高まり、内閣支持率を低下させていた。
 *日銀の「生活意識に関する意識調査」(6月分)によれば、現在の物価が1年前に比べて上がったと回答した人は89%で、2008年以来の高い水準になっている。暮らし向きに「ゆとりがなくなってきた」と答えた人は42%で、3期連続悪化している。
 *共同通信の世論調査(6月14日)によれば、食料品などの値上げが「生活に打撃を与える」(「非常に」+「ある程度」)と答えた人が77.3%に上り、4月の調査よりも8.6%増加している。岸田政権の物価対策についても「評価しない」は64.1%に上り、「評価する」は28.1%にすぎなかった。その結果、内閣支持率は56.9%で、5月の調査より4.6ポイント下落した。不支持率は5.1ポイント増の26.9%になった。参院選の投票の際に、物価高騰を考慮すると答えた人は、71.1%であった。
 *日経新聞の世論調査(6月20日)では、物価上昇について「許容できない」が64%で、「許容できる」の29%を大きく上回っている。内閣支持率は60%で、5月の調査から6ポイント低下したが、不支持率は32%であった。
 *毎日新聞の世論調査(6月18日)では、物価が上がった影響で家計が苦しくなったと「感じる」は66%で、「感じない」の17%を大きく上回った。内閣支持率は48%で、5月から5ポイント下落し、不支持率は44%で7%上昇した。
 *NHKの世論調査(6月27日)では、参院選の投票に際して考慮する政策は、物価対策など「経済対策」が43%と、社会保障の16%、外交・安全保障の15%、新型コロナの5%、憲法改正の5%、エネルギー・環境の5%を大きく引き離して最大のイシューになっている。
(3)物価対策が最大の争点に浮上したにもかかわらず、いまの物価高への不安や政府の物価対策への不満は、岸田政権と自民党への批判としては現われなかった。安倍銃撃事件の影響があったとはいえ、世界的な流れのなかでは例外的に異常な現象である。
 *消費者物価上昇率が2%台と、米国やヨーロッパ諸国に比べてひじょうに低いことも一因であると考えられる。政府の対策(ガソリン元売りへの補助金)によって「日本の物価は欧米に比べて低く抑えられている」(岸田)という弁明が、ある程度通用しているともいえる。
 *対抗する野党の物価対策は、もっぱら消費税率の引き下げ(れいわは消費税廃止)であった。だが、消費税率引き下げ提案は、物価高のなかでもインパクトがなく、すでに対抗力を失っていることが明らかになった。すなわち、社会保障の将来を考慮するならば財源としての消費税は不可欠という認識が定着していて、社会保障財源の確保(公正な増税)の具体的な提案を欠いた物価対策は、説得力を持たない。
   21年総選挙直前の朝日新聞の世論調査(21年10月21日)では、消費税を10%のまま維持する方がよい」57%に対して、「引き下げる方がよい」は35%にとどまった。物価高のなかでも、NHKの世論調査(6月27日)では、「社会保障の安定財源として引き下げるべきではない」が47%と、「引き下げるべき」の34%を上回っている。

2 ポピュリズムの台頭
(1)維新の躍進、れいわの3議席獲得、参政党とN党の議席獲得に見られるように、ポピュリズム政党が支持を増やしている。ポピュリズムとしての共通の特徴は、?斬新な政治スタイルや政治文化によって、人びとの情動に訴えて支持を獲得する(街頭での対話型集会、SNSの駆使など)、?耳ざわりのよいキャッチフレーズを発するが、政治的主張や政策は一貫性を欠き無責任である。具体的には、減税とバラマキの組み合わせによって減税ポピュリズムに走る。?政治的リーダーの個人的なパフォーマンスによって人びとを惹きつける。
(2)維新は、ネオリベ「改革」の党として固い支持層(有権者全体の1割弱)をもつが、支持の拡大のためにポピュリズムの要素をフルに活用している。
 *「身を切る改革」と「大阪での改革」(を全国に)という内実が明らかでない(実情を隠した)イメージを振りまき、現状打破への漠然たる期待感を吸い上げる。
 *吉村知事に見られる政治的リーダーのパフォーマンスの発揮。
 *路線的には、軍事費の倍増や攻撃能力の強化など右翼ナショナリズムを公然と押し出しているが、軍事費の増大を支持する世論の強まりによって抵抗が小さくなっている。
 *「自己責任」(自助)の発想と意識が社会全体に浸透しているなかで、この意識に乗っかって「改革」(民営化や規制緩和)への共鳴を呼び起こして支持拡大につなげている。
(3)れいわは、山本太郎の卓越したパフォーマンスとリーダーシップを武器にして支持を獲得している。
 *左派・リベラル志向だが、既存の左派・リベラル政党(立憲、共産、社民)に飽き足らない人びとの受け皿となっている。
 *その経済政策は、景気回復を最優先する、また消費税廃止・ガソリン税ゼロ・日銀の金融緩和継続(→日銀の国債増発=「積極財政」)というズブズブの経済成長主義で、減税ポピュリズムによって人びとの租税抵抗感に訴える。しかし、支持者のなかでは政策の正しさを問うことは二の次にされている。
 *今回の参院選での「消費税廃止で景気回復を」というアピールは、物価高に苦しむ人びとの心情に食い込むだけの効果を発揮しなかった。
(4)参政党は、本質的にナショナリストの党であるが、参加民主主義とグリーンな生活志向の装いで隠蔽して支持を獲得した。
 *2020年に結成し、党員8万8500人(たとえば維新は党員3万5000人)、5億円を超える資金を集め、全国の全選挙区と比例区に50人の候補者を擁立。
 *SNSを駆使し、公式YouTubeの登録者は19万6000人(自民党は12万9000人)。
 *「投票する政党がなければ自分たちで作ろう」とか「ワクチンやマスクの強制反対」の主張は、かなりの共感を呼んだ。朝日テレビによれば、20歳代の投票先(出口調査)は、自民39.2%、立憲10.9%、国民10.1%、維新9.8%、れいわ6.6%、参政6.3%であった。日経新聞によれば、20歳代の比例区の投票先は、自民が前回より3.5%減、公明が2.8%減、立憲が1.6%減、共産が0.9%減。
 *「右でも左でもなく前へ」とか「農薬や肥料、化学薬品を使わない農業と業業の推進」は、緑の党結成への共感と同じ共感を生んでいる。
 *「外国人労働者の増加を抑制し、外国人参政権を認めない」、「国防力と危機管理力づくり」、「国家アイデンティティづくり」に示される右翼排外主義のナショナリズムが本質。
 *内閣不支持層の8%が参政に投票し、内閣支持層の2%しか参政に投票しなかったことからは、保守層よりもリベラル的あるいは無党派な層から支持を調達したと思われる。20歳代の比例区の投票先で、れいわが前回より1.2ポイント減らしたのと対照的に5.9%の支持を得たことに示されるように、れいわに投票するような人びとの支持を横取りしたと言える。

3 重要なテーマが政治争点から外された。
(1)軍事費の倍増・「敵基地攻撃能力」の保有というテーマは、軍事費増大やむなしの世論の増大のなかで政治的争点になりえなかった。すなわち、立憲が軍事費の倍増論に対して真正面から対決する姿勢をとらず、れいわもこの問題にほとんど触れなかった(「専守防衛」と抽象的に言うだけ)。共産・社民だけが軍事費倍増反対の論陣を張ったが、かき消された。
 *NHKの世論調査(6月27日)では、防衛費を「増やす」が52%(大幅に増やす12%、ある程度増やす40%)に対して、「いまのまま」が30%、「減らす」7%と、増大論が多数を占めた。
 *こうした世論の逆流に飲み込まれ、立憲は防衛費増額に反対を明言できず、れいわも明言しなかった。
 *軍事費を減らして、医療・介護・教育の無償化に回せ! というシンプルな対案を左派・リベラルの共通の主張に掲げられなかった。
(2)ヨーロッパでは大きな争点になる気候危機が、争点にならなかった。
 *脱炭素化を主張しながら、平然とガソリン税ゼロや引き下げを主張する政党があった(れいわ)。
 *電気料金の高騰と「電力不足」キャンペーンのなかで、原発再稼働に賛成の世論が急速に高まってきた。

4 これからの課題
(1)社会運動の基礎から立て直す/あらためて大軍拡阻止、分配の強化(賃上げ、貧困層への支援)とケアの拡充、脱炭素化をめざす社会運動・大衆運動を再生し、強化していくことが最も重要な課題となる。
 *既存の左派・リベラルの政党の衰弱は避けがたく、社会運動からのパワーと人材の供給がなければ、左派ポピュリズムだけが生き残る。しかし、れいわに見られるように、日本の左派ポピュリズムは、スペインのポデモスなどと違って、社会運動や大衆運動とのつながりを欠いているため、その存続も危うさがある。
(2)地域(地方自治体)レベルの政治勢力形成と社会運動の再生を基礎にしながら、左翼の新しい形を創造していく。
 *杉並区長選における岸本聡子新区長の当選は、画期的な出来事である。日本におけるミニュシパリズムの可能性を示唆していると言える。
*社民党の次はないだろう。共産党とれいわは、党勢拡大の独自路線に固執するだろう。だが、共産党の衰退は避けがたく、左翼勢力の再生の基軸を担うことは期待できない。れいわは、野党共闘に対する態度に見られるように、そもそも左翼勢力の再生という課題に無関心である。
 *とりあえず共産・社民・れいわ・立憲の野党の連携と共闘を維持して、左派・リベラルの勢力と戦線を何とか(防衛的に)維持する必要があるが、抜本的な解決にはならない。脱成長・反資本主義・非軍事の原理・原則を明確にした左翼の形成を、どこから、どのような形で準備するのかが問われる。
 【2022年7月13日記、7月25日に若干の修正】
                            

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