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<緊急声明> 
安倍政権・原子力規制委は、嘘と情報操作による被曝労働を悪化させる放射能汚染水漏れ対応をやめ、被害の実態をふまえた具体的対策に専念せよ ――原発再稼働など論外だ!


 東京電力が10月20日、福島第一原発の地上タンク群に設けた計23ヶ所ある漏水防止用の堰(せき)12ヶ所から、放射能で汚染された雨水があふれ出し付近の排水溝に流れ込んだ上、海洋に「流れ出た可能性が否定できない」と発表した、と10月21日、メディアがいっせいに報じた。

 「可能性が否定できない」という東電の常套句は、恐るべき被害の拡大をなんとか少なめに印象づけるための操作的な言葉である。あの原発推進派のメディアである『産経新聞』ですら、「堰の水が一度にあふれた箇所としては最多」と報じているほどの事態とは、大量の高濃度放射能汚染水が、原子力規制委員会が勝手に設定した排出基準(ストロンチウム90は1リットル当たり10ベクレル以下)をも桁違いにオーバーしたものが、またもや流出し続けているという事態である。この許されざる事態がさらに確認されたということなのだ。

 私たちは、9月15日に発した声明「安倍政権・原子力規制委員会は原発再稼働をやめ、放射能汚染水漏れと被ばく労働の拡大を阻止する対策に専念せよ!」において、9月7日の国際オリンピック委員会(IOC)総会で、2020年東京オリンピック招致のため、汚染水をめぐる状況は「コントロールされている」あるいは「完全にブロックされている」といった恥ずかしいデマゴギー(大嘘)について「謝罪し撤回すると同時に、原発再稼働をストップし、東電に経済的責任を取らせ解体し、放射能垂れ流しと被ばく労働の拡大をなんとしてもストップさせる活動に専念すべきである」と要求した。ところが安倍首相は「撤回・謝罪」どころか、「コントロール・ブロックされている」を繰り返し、10月15日の「所信表明演説」でも、海に流出している高濃度汚染水(毒)が東日本の漁民を恐怖に陥れている現実を無視し「汚染水は安全」と強弁し、「抜本解決に向けたプログラムも策定し、すでに着手しています。今後とも、東京電力福島第一原発の廃炉・汚染水対策を、全力でやり抜いてまいります。東京電力任せにすることなく、国が前面に立って責任を果たしてまいります」との政治的パフォーマンスのための発言を繰り返しているだけである。

 今日まで、基本的に東電まかせの姿勢にまったく変化がない。その結果が、この汚染水漏れ事態の深刻化なのである。デマの上にデマを重ねて責任を取っているかのようなポーズだけでは、なにも生まれないのはあたりまえである。本当に責任感があるのならデマ発言の政治に対する「発言の撤回と謝罪」がまず必要だろう。

 10月9日には、下請け作業員の六人が高濃度汚染水をかぶるという、とんでもない事故が起きている(東電発表)。『東京新聞(10月10日、11日)』によれば、こうした作業員の単純ミスによる事故は、IOCで吹いたホラを前提にした安倍首相の現地視察(9月19日)で、一時的に「期間を決めて汚染水を浄化しろ」という、自分の虚言に事態をあわせるためのとんでもなく無茶な指示の後に、立て続けに起きだしたというではないか。

 放射能まみれの劣悪な労働環境は、安倍の「責任」を取るポーズ、「とにかく急げ」の命令のために、より悲惨な事態に追い込まれているのだ。私たちが恐れていたように、汚染水漏れの増大は、被曝労働のさらなる拡大を生みだし、デマゴギーの政治は過酷な被曝労働を強化し悪化させているだけなのだ。

 政府も東電も被曝労働を増大させない雇用政策を責任をもって実現する方向で、汚染拡大の実態をふまえ、ポーズと操作ではない具体的な汚染水対策(廃炉プロセス)へ向かえ。

 安倍政権の政治的デマゴギーをあたかも事実であるかのごとく追認し続けている原子力規制委員会(田中俊一委員長)。あなた方は、カネと人を出し惜しみしている無責任東電の行動を放置し、今日の悲惨な事態をもたらした責任をこそ、政府とともに問われるべき集団である。

 安倍政権・規制委は原発再稼働政策をストップし、汚染水・被曝労働拡大を阻止する政策を、誠実かつ具体的に実行せよ。東電に、場あたり的な対応をやめさせ、会社資産を汚染水(被曝労働)対策にキチンと投入させ、「解体」すべきである。責任を取るということは、そういうことではないのか。

2013年10月23日

「再稼働より汚染水対策を!」規制委員会前抗議行動の日に

福島原発事故緊急会議
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