Re: アラブ世界の民衆蜂起――チュニジアからエジプトへ/福田邦夫

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件名 アラブ世界の民衆蜂起――チュニジアからエジプトへ/福田邦夫
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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2011/2/27 13:07
Noguchi 
今般のアラブ各国でおこっている政変を報道するメディアの論調は「何十年も続いてきた独裁政権が、ネットの力と民衆の呼びかけにより打倒された」というものです。この記事で指摘される、その「裏」で生起している事は一切報じられません。
私はこの一連の動きの底流にはアメリカの覇権の終焉が近付いているという予感があります。今まで日本は盲目的にアメリカに追従し、こういった独裁政権を支援してきたわけです。独裁政権にはほぼ例外なく情報統制がなされ、それに反発する者に対する人権弾圧があるのも知っていながら、私たち西側諸国はチュニジア・エジプトという国が比較的安定していて、いわば扱いやすいが為にこういった国々を支持してきたわけです。
日本の立場としても、その姿勢が正しかったのかどうか、検証する必要があると感じています。今まで対米追従でやってきた日本の外交政策が、アメリカの覇権が崩れた後、どう舵取りをするのかとても不安になります。だからこそ、今までの対米追従がよかったのか、間違っていたのか、再度検証する必要が今こそあるのではないか、そのように感じています。
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2011/2/25 14:57
baba 
現代グローバリゼーションというのは一種の劇薬であると思いました。グローバリゼーションや民営化、それによって一時的に上昇するGDPは国を劇的に変え、発展途上国からの先進諸国へ至る近道のような気がします。
しかし、同時に薬は副作用をもたらすものです。今グローバル化、民営化の副作用を理解して処方する体制が整っているのでしょうか。それともあえて副作用を言わずに処方しているのでしょうか。
私はその劇薬だけに頼っていれば大丈夫と多くの人が信じているし、信じ込まされているという風に見えます。
国を良くするとなった時に経済発展と経済成長率の上昇がすべての目標となっているこの状況は最近の医療の倫理的な問題と似ているように思えます。
人の治療においても延命するためにただひたすら治療し、パイプだらけになってでも生かすことが本当にその人にとっていいことなのか、死なせないことを追求するのが本当にその人にとっての幸せなのか。そこには絶対の正しい答えはありません。しかしその人が納得して死んでいけるような選択肢を提示できている状態が唯一の答えなのではないかと思います。
そのことと経済発展・成長率の上昇がすべての目標となっていることはよく似ているように思えます。
IMFは国の在り方の絶対的な正解は経済成長の上昇しかないと言っているのです。その選択肢を提示していることが間違いだとは言いませんが、他の選択肢を提示できていない世の中がおかしいのだと思います。
だから、多様なあり方を国にも求めていかなければなりませんし、多くの国民もそのことについて考えていかなければなりません。そういう時代に入っているのだと思いました。
そして国民全体に共有される目標が生まれたとき、その目標を達成させるために様々な学問や指標を導入していくべきだと思います。そのための経済学でありGDPであると思います。
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2011/2/25 8:51
Why GDP ? 
GDPの成長がすべての人類や国民を幸せにするという「呪縛」から私たちは、抜け出時が来たではないだろうか。

GDPとは何か?
GDPはどのような過程で生まれるか?
GDPの数は誰が決めるのか、計算されるか?
何のためのGDPか?
GDPは何をもたらすか?
なぜGDPなのか?
GDP…???

GDPの向上はあくまでも、1人1人生きている人がよりよい生活をするためにあるべきではないだろうか。そのGDPの名の下で強制的に犠牲や不幸を強いられる人がいるということは、なんと皮肉でしょうか。

いまこそ、GDPが目的ではなく、手段の一つであることを思い出す時ではないだろうか。
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2011/2/25 0:46
Yamanaka 
IMF・世界銀行および多国籍企業を中心に、ますます加速する現代グローバリゼーションの罠に見事にはまった両国の姿を知ることができました。市場創出と食糧・資源供給地獲得というお得意の手段はほぼ達成されつつあったので、この政変はまさに「想定外」であったと思います。
 しかし、彼らの新自由主義的政策がこのまま推進される可能性も高いと感じます。チュニジアの友人を通して、政変に至った要因を現地から伺う限り、国民にとってはベン・アリ一族が国富を横取りしたことが一番の問題であり、福田先生がご指摘される外的要因が重要視されておりません。むしろ「構造調整政策は悪いアイデアではなかった」といい、「今後もFDIを受け入れることが発展への近道」と考える者が少なくありません。また、共産党をはじめ左派は長い間弾圧され弱体化しており、60年代後半の社会主義政策失敗という苦い経験からも国民は自由主義的政策を好む傾向があると思います。UGTT(チュニジア労働総同盟)という最大の労働組合が、今回のデモを組織し、成功に導いたとも言われておりますが、真偽のほどはわかりません。

 事実関係はこれから少しずつ明らかになってくると思いますが、今は、腐敗した独裁者と官僚機構を先進工業国政府が支援してきたことによって、我々自身も気づかないうちに当該国の強権的な体制維持と支配者一族の非合法な蓄財に加担してきた事実を強く認識しています。 

 「ローマの穀倉」と呼ばれたその豊饒な大地の恵みの多くは地中海の北岸へ積み出され、穀倉地に住む国民には質の劣る輸入小麦で作ったパンを食べさせる。1984年から1985年にかけての大暴動も今回の政変も食糧の国際価格高騰と連動しており、穀物の国内価格を安定させるための補助金が政府によってカットされた後に起きている事を考えると、自由貿易協定と多国籍企業誘致にチュニジア再建の夢を託している人々は、自国が抱えるベン・アリ以外のリスクを今こそ考える時なのかもしれません。
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