オルタキャンパス「OPEN」
【連続講座】★再検証★―敗戦70年/原発震災から4年
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第5回:「戦争文学」から敗戦後70年を考える


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 彦坂諦さんは『文学を通して戦争と人間を考える』の書き出しの部分で、こう主張しています。

 わたしたちは、だれしも、ある特定の状況のなかで生きています。それ以外ではありえません。言い換えれば、それは、人間ってやつは、どうしようもなく状況によってつくりあげられてしまう存在だということです。/では、これはもはや宿命なのか? いや、そうではないんだ、とわたしは考えています。/人間は、どうしようもなく状況によってつくりあげられる存在である。と同時に、その状況に働きかけ、それを変えようとすることのできる存在である。まさにそういうことに、人間が人間であるゆえんがあるのではないかと、わたしはそう考えています。いや、もうひとつよけいなことまでつけくわえると、人間ってやつは、おもいもよらぬことをやる、つまり自分でも知らない、意図していないことをやりかねないってことです。/だから人間はおもしろい。ひとりひとりのふるまいが千差万別であるのは、人間がそれぞれに、自分がそのなかにすっぽりつつみこまれている、この得体の知れない状況のなかで、この状況にどのようにたちむかっていくか、という、そのしかたがそれぞれの個人によっておなじではないからです。おなじ場、おなじ事件に遭遇しても、ひとはおなじ体験を持っているとはかぎらない。

 天皇制帝国の植民地支配と侵略戦争に、とりあえずのピリオドが打たれ、アメリカによる占領がスタートしてから、70年の時間が流れた今。敗戦後という状況にスッポリと呑み込まれ続けてきた私たちは、この状況をつくりかえる手がかりを、戦後のどういう体験に求めるべきなのか。戦後の権力者の方が戦後民主主義の最終的決算を強行しようとしている今、新しい戦争へ向かおうとしている今、かつての戦争体験そして敗戦後の時代体験から、私たちは何を学ぶべきなのか。彦坂さんの、すこぶる個人的な抵抗へ向かう語りをテコに、共に考えてみたい。 

■問題提起:彦坂諦さん(作家)
■司会:天野恵一さん
■日時:2015年11月23日(月・祝)18時開場、18時半?21時
■場所:ピープルズ・プラン研究所会議室
■参加費:1,000円(PP研会員:700円)
■主催:ピープルズ・プラン研究所