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福島原発について真実を語れ!
――日本政府とマスコミへの緊急の要求


ピープルズ・プラン研究所運営委員会
2011年3月17日

甚大な地震津波被災に重なって、福島原発は重大な事態に突き進もうとしている。これはチェルノブイリに匹敵する、いや数機の原発の同時破綻という意味ではそれを上回る前代未聞の深刻な事態であり、そこから起こる放射性物質の大気中への放出と拡散は、原発から20キロ、30キロ圏内などという尺度で測れない広範囲にわたって、重大、深刻な人体、環境、社会への影響をもたらそうとしている。

 この重大事態に対して日本政府は、成り行き任せの対応に終始し、取るべき責任を放棄し、福島原発の事態の深刻化を招いたとわれわれは考えるが、その責任全体をいま追及することはしない。

 事態の切迫はそれを許さない。

 私たちがいま日本政府、およびマスコミに要求するのは、事態について真実を人々に告げよということである。日本政府は、断片的な情報を発表するのみで、福島原発で起こりつつある事態の最悪の結果がどのようなものであるかを示すことをせず、人びとを無防備のまま放置している。そして最悪の結果に備えて、人びとの被害を最小限にするため政府としてとるべき措置をまったくとっていない。政府とそれに同調するマスコミとそこに登場する「専門家」たちは、真実を告げるかわりに、事態を軽くみせ、レントゲン照射やジェット機による旅行での被曝線量との比較などを持ち出して、事態を日常的出来事のレベルの近傍にあると見せかけることに終始している。線量の測定値は小出しに発表されるが、拡散されている核種が何かは一切報告がなく、記者会見では質問もされていない。体内被曝についても系統的な警告は欠如している。だが、海外の専門機関、専門家、メディアは、今回の事態の深刻度がチェルノブイリのレベル7に近いと判断し、各国はその判断に従って要員の退避などの対策をとっている。一体事態認識についてのこのギャップは何なのか。

 善意に解釈すれば、日本政府はパニックを引き起こさぬよう配慮しているのかもしれない。だがパニックを引き起こさない最善の方法は、人びとが事態を正確に認識していることである。そして被害が避けられないにせよ、それを最小限にする方法を知り、そのための手段を与えられていることである。パニックは、ただの腹痛だと医者に告げられていた患者が、本当は深刻な腫瘍であると知ったときにおこる。

福島原発での事態は一刻を争う。政府は、事態の深刻性についての認識を統一し、それを人々に告げ、それへの対処と政府の統一的対策と行動を明確にするよう緊急に要求する。