PP21フォーラム「アジアにおける農村部と先住民族のコミュニティ構築」(2022年5月25日)における報告
   白鳥 武(しらとり たけし) 

★自己紹介
現職、摂南大学 理工学部 住環境デザイン学科 地球共生デザイン研究室主宰 准教授。
青年期まで4年毎に異国で暮らし、アイデンティティクライシスから人種のるつぼの豊かさ・難しさ等の経験を経て、新義語として「Geosymbiosis/地球共生」を「地球上の全生命体との調和的共生へのビジョンと探求姿勢」と提唱し、その視座で有形(モノ)・無形(コト)のデザインを能動的に行う地球共生デザインを創設。地球規模の共生とはどう在るべきか、国内外の共生阻害問題解決を、現地協同機会を設けて分析し、分野の枠を超えたデザインを通して模索する。敢えて取り組む課題を変えて、実践実証を繰り返し、自らと学生教育の両方で「地球共生デザイナー」の確立を目指す。

★ピープルズ・プラン研究所に入会の経緯
共生とはなんぞや。。と自問自答、七転八倒する中で哲学者 花崎皋平先生の著書に出会えたことがきっかけ。氏が会員であるからとのミーハーな気持ちが先であったが、重箱の隅を突っつくことで満足する近視眼的学術会の多くの現状に失望していた時で、他の議場を探していたタイミングでもあった。未だ参加する中で段階的に理解を深めている最中であるが、特に活発な議論を行動に移してきた「実行力」に圧倒され続けている。

+ + + + + + + + + + + + + + + + + +

2022年度WSF in Mexico 企画セッション「PP21 FORUM ON RURAL AND INDIGENOUS COMMUNITY BUILDING IN ASIA(ONLINE)」での発表・聴講と本経験から見た市民会議の場の重要性と挑戦について


はじめに
2022年5月25日に世界社会フォーラム(WSF)メキシコ大会内のPP21フォーラム(オンライン):「PP21 FORUM ON RURAL AND INDIGENOUS COMMUNITY BUILDING IN ASIA」にて発表・聴講する機会を得た。近年PP21研究会に入会し、全体像を十分に理解できていない未熟新参者ながら、香港を拠点とするLau Kin Chi氏、Sit Tsui氏らとPP21大橋成子氏ら精鋭の迅速かつ的確な調整活動により実現した東・南東・南アジアからの登壇者による11の発表と質疑を含む本活動企画は、今までに参加してきた著者の学会発表とはあらゆる面で異なり、更には国際市民で創生する発表・議場の在り方と重要性の一端を知る有意義な経験となった。
 世界各国からの発表者の多様な顔ぶれと内容は、PP21の人間同盟を大切にする意識で温かく迎え入れられた。核となる事前事項の多くを参加者皆に問いかけながら進め、登壇者探しもLau氏らの呼びかけの中でアジア各国にいる個々人が相応しい人物を探し、ぎりぎりまで手を広げ、打診を繰替えして形成された。言語の違いは常に国際会議では大きな障壁となり易いが、事前に資料を提出することで周到に、しかし非常に短期間で準備された英・西・中国語同時通訳者らの見事な仕事ぶりにも驚かされた。国際市民会議はなるほど、発表日時を決めるにも世界各国の時差を加味し、日本側は夜9時からの発表となった。とても短く感じる一人15分の発表に収められた人は少なく(これにもお国柄が出ているのか)、質疑応答時間も押し、深夜まで全体でかかったが、多種多様な内容に、あっという間に時間は経過した。また、進行内容はライブでスペイン版YOUTUBEとBilibili (中国版動画共有サイト)で配信、視聴者数も合間に報告され、市民への活動拡散と同時共有を大切にしているところも既往学会の多くが見習うべき視点である。しかしこれらは既に、決して容易ではない挑戦である。
 「アジアにおける農村部と先住民族のコミュニティ構築」と題した本フォーラムで、登壇者への呼びかけに対して著者が応じたところ、有難くもLau氏の強い推薦を受け、二つの題材での発表となった。

地球共生果樹栽培への挑戦と発見
 一つ目は「Challenges and Findings for A New Geosymbiotic Fruit tree Farming: under the Existing Governance of “Agricultural Land Law” and Local Farming Customs in Japan (Ikoma city, Takayamacho, Nara) 。新義語を用いて著者が提唱する地球共生/Geosymbiosis*を目的とした試験的果樹栽培を無農薬で行うだけでなく、多様な生物との共生を積極促進する栽培を目指す中での意識と創意工夫や、新規就農者の場合には農家として認められるまでに越える又は耐えないといけない農地法上の課題、更には慣行農法と異なる地球共生/Geosymbiosis手法を採択した際に直面した様々な挑戦による発見事項を発表した。端的には、最低耕作面積要件を満たすための広大な農地を元から所有していない場合に、農薬にまみれていない農地や根を張る果樹栽培に寛容な貸し主を探す困難や、老齢化に伴う耕作放棄地等であっても、売ることを嫌う傾向などを挙げた。また地域の農業委員会に「正式に農家として認められる」までの道筋、草刈をしていないことの弊害を理解しつつも執拗な草刈りの慣習化と暗黙の圧力、それに対して現在進行中のライフサイクルを見つめた「選択性草刈り」の効果【写真1】、大型害獣とされるイノシシとの共存を目指した「竹囲い」とその好成果観測中になされた射殺排除行為との矛盾、安定した作物を得つつ全生命体との調和的共生を目指す農法推進上で直面した難しさを発表した。


【写真1】選択制草刈りを実施したことで今まで観なかった草花が咲き、虫の交尾の社交場となっていた。(自生ニラとカナブン)





 先に発表された疋田美津子氏の生産から加工、販売までを先駆的に山形で行って来られ多種多品目を年間扱い「有機農業で生きる」強い姿勢と継続的な成功実績の発表の後で、比してみると、生業としての持続可能性に繋がらないとの懸念払拭には十分に本発表は応えられていなかった。しかし、両方の発表で偶然にも雑草刈りの大変さが日本の農業での苦労の一つとして挙げられたが、枯葉剤や除草剤に頼ることなく人の手で行うことの労苦を当然の事として背負った上での「生態系への持続可能な農業姿勢」を持つ日本からの二つの事例発表が続く結果となった。一般的には自然栽培と称される手法に近い、他生命体をできる限り排除しない自称「地球共生型農法【写真2】」による果樹栽培の「経営モデル」としてさらなる経営上の試行錯誤の継続が必須である中、「共生モデル」の「副産物」としてのみ対価(果物)を位置づける、「共生モデル存続優先」という意識・見つめ方の存在意義も逆に考え始めるきっかけと著者にはなった。


【写真2】トマトについた幼虫。いつまでもこの幼虫もこのままいる訳ではなく、成虫となり飛んでいく。そのサイクルを理解し、最後まで「殺さない」方針で農業を行う。




 次の発表にも関連する人体や生物多様性へ害をもたらす除草剤、マルチと呼ばれる土壌被覆材やプラスチック系農業資材などがゴミと化しダイオキシンを生じやすい環境負荷を増加し続ける傾向についても指摘した。除草剤は特にベトナム戦争で使われた枯葉剤製造にかかわった悪名高いメーカー(現在買収により改名)が製造する製品が、TVコマーシャルまで流れ、近所のホームセンターで平然と売られている事実も伝えた。これのようにダイオキシンでなくとも、グリホサートを含んだ除草剤の人体への危険性を訴える研究報告の一端も伝えた。長期的な持続可能性を十分に考えない現代農法の慣習や農地所有を巡る問題も実際に自らの経験より鮮明に浮彫りとなり、「地球共生型農業の障壁」を多角的に示した。 
 本発表の質疑では、質問者の住まう熱帯地域都心部で見られる「マラリア媒介害虫や裏庭農地を侵害する害獣との共生」はどうしたらいいのかと問われ、長い時間をかけた試行錯誤が重要であり、一方で「共生する」という強い意識でありとあらゆる決断を考え直すことが大切と答えた。共生を考えず、日常的に我々が垂れ流す汚染物質(原発汚染水や洗剤、シャンプーなどの日常生活上の習慣の類も含めて)終着点に暮らさざるを得ない生命体に配慮せずに一方的なヒトに対する損得だけで他生命体を見る悪習から未だに抜け出られていないことの弊害が増々他生命体を追いつめている切迫した実情からも問題の核となる要因としてそのように答えた。また庭に水溜まり(池など)を造る時などで、小さな生き物が誤って見ずに入った場合に、自力で抜け出せるデザインとして緩い勾配を底面などに付けることを配慮型デザインの一例として伝え、この配慮を包括的に行うことをまず始めてみることを推奨した。

ベトナムの少数民族居住地域におけるAO・ダイオキシン汚染のいま
 二つ目の発表は「Observation from Collaborative Project Geosymbiotic Workshop 2019: Challenges Facing the Ethnic Minority Communities of the Agent Orange Sprayed Areas in Central Vietnam Takeshi Shiratori (Setsunan University, Japan)」と題して、2019年にベトナム中部の山岳少数民族との協同プロジェクトを通して理解に努めた、ベトナム戦争時に米軍や南ベトナム軍によって散布された化学兵器としての枯葉剤、通称エージェントオレンジ(以下AO)に苦しむコミュニティの今に関するものである。持続可能な世界に向けたモノ(有形)とコト(無形)のデザインに関する研究をする著者にとって、本来畑違いの薬学、人工化学成分猛毒ダイオキシン類を含むAOは未知の物質であったが、デザインをする上でどうしてもその「今」を把握する必要があった。畑違いでさじを投げる研究者が多い中、今なお続く脅威を「地球共生阻害問題」として位置づけて、無知なりに既往論文を紐解いて調べ上げた著者なりの理解をベースにした発表である。現地協同プロジェクトを展開する上で浮上した疑問、「AOの今をどう理解し、未来に向けて捉えるべきか」、これを満たす見解が滞在期間中の現地では導けなかった。行政関係機関の面々からの発言は、「それは過去のことであり、今はもう大丈夫」と平然と現地食材を使った美味しそうな料理を口に運ぶ姿があった。一方で「良く解らないけれども、最近ガンになる人が周囲に多い気がする」という発言や「ここ以外に生きる場所はない」と不安を払拭するような発言が事前調査で訪問したAO散布重度地域の住民からはあった。これら二つの異なる印象を受けた発言の狭間で、著者自らがもし現地住民であった場合に、真実の「今」はどのように受け止めるべきなのか、それを十分な情報を得られていない現地の人々は、解りやすく継続的に伝えられるべきではないか、等の疑問と想いを胸に帰国後既往研究発表から紐解いた。
 現在、既知としてAOの燃焼生産過程で副産物として含有されてしまったダイオキシン類が多くの著しい人的被害、環境汚染を引き起こしている要因とされている。その汚染は土壌、河川、人体、他の生命体へと広い範囲で確認されているが、枯葉剤散布後に見られたたくさんの奇形児や健康被害についてその多くは「関係性が疑われる」というところで留められ、直接の関係性を決定づけていない。このことは現地住民や被害者にとって、原因と経緯や不安と脅威の度合いをいたずらに闇雲にする結果となっていた。そして調べれば調べるほど、AOやダイオキシン類がそれら疾患を引き起こしたことや、引き起こし続けていることを否定と肯定する両方の報告が見られたことで、やはり「良く解らない」と言わざるを得ないことを発表した。
 ベトナムで米越共同にて進行中の土壌汚染除去プロジェクト選定地は、カナダ西部の環境コンサルティング会社であるHatfield社が研究調査後に提示されたHotspot Theoryと総称されるダイオキシン類に著しく汚染された地点「ホットスポット」が「米空軍基地とその周辺」だとして着目する理由となり、何よりもそこを除染することが重要という視点を確立した結果と大概理解できる*1。現在既にいくつかの米空軍基地跡地は除染終了と報告されているが、散布ミッションの全容は時代を追う毎に新たな情報が開示され、それに伴って、不明瞭な記録しかないものを明確化する努力が行われてきたが、それをもってしてでも、不明な事実が残る中で、ホットスポットの除染ですべてが安心できるとは到底考えられないことを指摘した。ダイオキシン類以外にもヒ素などの成分が見つかったり、ダイオキシン類の含有量の推定が生産バッチによって違ったり、ナパーム爆弾との併用で一概に状況が異なったりと、枚挙にいとまがない程*2、もともと計測が困難な上、さらに微量でも大量破壊を起こす猛毒ダイオキシン類の散布量の何十年も経過後の推定は難しい。そしてそれが樹幹や葉上、土壌の降雨や川の氾濫を伴う台風など熱帯モンスーン気候による移動を把握できるのであろうか。極めて化学的に安定し、水に溶けないこのやっかいなダイオキシン類は、逆に脂質や油に溶け、人体や食物連鎖上で蓄積されることが知られている。これは河川の底泥に蓄積される可能性を示唆し、そこに住む生物を食べる現地の少数民族や住民たちへどのような影響があるのか【写真3】。どれも、地形や長期の観測が必要なことばかりで、因果関係を示すには難しいことが素人目にも明らかである。発表時間の制限から、全てを事細かに説明はできなかったが、端的にも、これらのことは「ホットスポットの除染のみで安心することは到底できない」ことを示すと警鐘を鳴らした。また、コストがとても高い高温燃焼除染方式等に代わり、価格を抑えた日本企業提案の除染方式や、政府主導でないとできない高価なダイオキシン測定方式に代わり、市民が行い易い方法での「汚染度理解」に有益な平飼い卵を使った研究*3等の存在も紹介した。


【写真3】A So米軍基地への道中で見た風景。一見平和な風景も、AOにより高木は全て一端死滅し、この土壌は汚染洗浄されておらず今日もある。どれ程の生命体が見えない脅威に命や健康を奪われて来たか。しかしこの地で生きて行かないといけない人々がいる。




 世界の多くの持続可能な生活を送って来た民族と同様に、ベトナム熱帯、山岳地帯の多くの少数民族は農業を生業としており、また母なる大地からの恩恵を活かしてその文化や思想は発展し、暮らしてきた。多様な生命体、(虫、タニシ、カエル、魚たちなど)を捕り、小作農を営んで生きて来た人々は、その地を離れて暮らす術を持たない中、生態系を取り戻すことが急務である。そしてベトナムだけでなく、ラオスやカンボジア等にもAO散布は行われてきたが、未だその全容はベトナム以上に開示・調査が進んでおらず、本市民会議においてより多くの人々がこれらを世界の課題として捉え、理解に努め、圧力に屈することなく議題に載せて論じることが大切である。
 後日談として、稚拙ながらこれらの発表に関して、その重要性を改めて認識することができたと、前述のBilibiliを見た若い中国農村地帯の視聴者から反響があり、次のフォーラムにてもっと長い時間の発表とセッションの企画に招待を受けた。その時を同じくして、ウクライナ侵攻において化学工場が攻撃を受け爆発、深刻な環境被害が進み、早急な対処が必要との報道があった。これら人道主義に反する行動を二度と繰り返してはいけないと何度我々は誓い、そして何度反省を行えば止むのであろうか。平和が一旦破壊されるとその回復にはとてつもなく長い年月が必要であり、本フォーラム等において国際的に議論を一般市民が重ねて、地球市民として意識を高めることが増々重要であり、継続しなければならない大切な挑戦であると痛切している。

印象に残った3つの報告
 他の発表に関して、長丁場となる中、紙面の都合からも著者の印象に残った3つだけ紹介(私の理解した要点の掲示)をすると:
・「The Village Songs Project: A Cultural Intervention in Rural Revitalization」 Sun Heng (Loving Home-Village Songs Project, Beijing, China)では中国農村地域の村で団結を促すための歌制作コミュニティプロジェクトについての発表(その歌、村の風景、人々も動画で披露)。
・「The Lumad Bakwit School in the Philippines」 Kat-Kat Dalon and Jose Monfred C. Sy (Lumad Bakwit School and University of the Philippines, Philippines)ではフィリピンのミンダナオ島に住み、過激派とレッテルを貼られ、様々な不当圧力を受けているLumad先住民族学校において、度々起こる実情を訴える発表(警察等による暴力や学校の強制閉鎖、不当逮捕、殺人など)。
 ・「Case of Indigenous Peoples in Thailand」 Nittaya Earkanna (Inter Mountain Peoples
Education and Culture in Thailand Association, Thailand)では、どのように自然資源保全と先住民文化教育が双方に役に立つかの発表で、大地に根差した文化や叡智を教育や学びとして認識することの重要性を発表。
 第一の発表ではその歌の動画に表れる風景と純粋な歌詞が彼らの村での生活や日常、人柄を理解することに寄与していた。第二の発表では発表するLumad先住民学生Dalonさんの当事者としての感情のこもった発表は迫力があり、また彼女の民族には夜遅くまで起きている風習がないため発表後の質疑を早めて欲しいという要望が共同発表者のMonfred氏からあった。第三の発表の質疑で著者は、「高等教育としてそれら文化や叡智を学歴として認めることが必要ではないか、そういう動きはないか」と問うと、強く同意するとの返事があった。これは著者自身がいくつかの先住民族と協同し、母なる大地と生きて来た民族ならではの、文明に頼り切った民族にはない考え方に感銘を受けて、大学教員として教える著者よりもはるかに役立つ内容を教えているのではないかと、現代の主流の知の体系を疑い始めたことにも起因しての質問であった。
 これら3つだけを通してみても、共に多民族構成市民でならではの発表・議場の在り方やその面白さと重要性の断片・縮図が経験できたことが理解できよう。国際的とは名ばかりの学術会議と異なり、誰もが核となる要素を自由に発表し、それぞれが語学の壁を越えて理解する、されることに努めながら進行することは容易ではない挑戦である。この挑戦を難なくこなすような「寛容な器」を用意する側に、本フォーラム・企画セッションのモデレーターや通訳ボランティアなどの縁の下の功労者たちの存在は不可欠であったことも忘れてはならない。
 本国際フォーラムとセッション企画に尽力いただいたDr. Lau Kin Chi、Dr. Sit Tsui Jade Margaretをはじめとする各位、PP21の諸氏、特に本フォーラム参加・執筆に助言と支援を継続的に頂いた大橋成子氏に、ここに感謝の意を表します。


参考文献
1. Hatfield Consultants and 10/80 committee. Identification of New Agent Orange / Dioxin Contamination Hot Spots in Southern Viet Nam. Final Report. Hatfield Consultants, Vancouver. 2006. last accessed 2022 /04/29

2. Stellman, Jeanne & Stellman, Steven & Christian, Richard & Weber, Tracy & Tomasallo, Carrie. (2003). The extent and patterns of usage of Agent Orange and other herbicides in Vietnam. Nature. 422. 681-7.

3. Anastasia D. Kudryavtseva, Andrey A. Shelepchikov, Efim S. Brodsky, Free-range chicken eggs as a bioindicator of dioxin contamination in Vietnam, including long-term Agent Orange impact, Emerging Contaminants, Volume 6, 2020, Pages 114-123.