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ピープルズ・プラン研究所 戦後研究会より
『新版 下山事件全研究』発刊のご案内
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六月半ば、佐藤一さんが亡くなられました。
ここ数年は戦後研究会の常連メンバーと言える存在でした。
もうお会いできないかと思うと、とても残念に思います。

佐藤さんの訃報記事は各新聞に載りましたが、どの記事も松川事件の元被告であったという紹介しかしていませんでした。
しかしそれは彼の前半生の一部に過ぎません。
松川事件の無罪判決を勝ち取ったのちの佐藤さんの活動も忘れられるべきではないはずです。
彼は、多くの弾圧救援や冤罪支援を行う一方で、占領・戦後史の研究を積み重ねてきました。
後者の最大の成果の一つが、『下山事件全研究』という著作です。

近年、改めて下山事件の「謀殺」論が跋扈していますが、佐藤さんの『下山事件全研究』は、30年も前(1976年刊)に「謀殺ではない(=自殺)」という結論を提示しました。
その主張はきわめて説得的です。
本書を避けて下山事件を語ることは許されないと私は思います。
しかし残念ながら、この本は長らく絶版・入手困難になっており、そのことが昨今「謀殺」論のはびこる一因ともなっていたように思えます。

その『下山事件全研究』がようやくこのたび復刊されることになりました。
今年は、下山・三鷹・松川事件から60年目にあたり、佐藤さんもはりきっておられました。
復刊された『全研究』を見ることなく佐藤さんは亡くなられてしまいましたが、彼の復刊に寄せる「まえがき」も間に合いました。
『全研究』は、私たちの手元に無事に残されたのです。

下山事件に興味をもたれている方や佐藤一ファンはもちろん、広く戦後史や報道の問題に関心のある方に是非読んでいただきたいと、著者(および出版元)に代わって宣伝したいと思います。
決して安い価格ではありませんが、頁数も多く、内容的にも大変読み応えのある本です。

『新版 下山事件全研究』の出版元はインパクト出版会
アマゾン等、オンライン書店でも入手できます。
出版社、書店にぜひご注文ください。
また図書館などへの積極的なリクエストもお願います。

この本もそうですが、佐藤さんからは、歴史を書く際にきちんと当時の資料に立ち返ること、関係者に取材することの大切さを教えられたように思います。
わかっていてもなかなかやれることではありませんが、よく肝に銘じておきたいと思います。

なお、九月頭には、佐藤さんの遺著である
『「下山事件」謀略論の歴史』(彩流社)
も出版予定です。
近年の下山事件「謀略論」への具体的批判が綴られています。
こちらもご注目ください。

(松井隆志/戦後研究会)
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