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対象モジュール 論説
件名 エジプト人民の重要な勝利/ サミール・アミン(SAMIR AMIN)
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Re: エジプト人民の重要な勝利/ サミール・アミン(SAMIR AMIN)
投稿者: 高林敏之 投稿日時: 2013-7-8 10:21
 従属理論で一世を風靡したサミール・アミンももはや「過去の人」の観あり。ムバーラク切りにより自らを温存し、軍部最高評議会のもとに文民統制から独立した軍部と、旧体制から改革されない司法機関による選挙されたばかりの議会解散などの妨害行為が生み出した、軍部・司法機関とモルシー政権との二重権力状態。その問題を完全に無視して、ひたすらモルシー政権とムスリム同胞団に責任を負わせる、典型的な都市インテリの論調。二重権力状態でどうやって「独裁」が可能だったというのか?
「大規模な不正選挙」というのは、最高憲法裁判所による違憲判決を招いた、無所属候補への議席割り当てに関する違反を指しているのであろうが、それは初の民主選挙が招いた制度的な不備による混乱。議席の3分の1を再選挙すれば良かったものを、最高憲法裁判所は議会自体解散してしまい、正常な立憲統治機構の確立を妨げたのである。
 何より、エジプト軍部こそが西側・湾岸諸国とイスラエルの確固たる同盟者として、米国の中東戦略やイスラエルのパレスチナ封じ込めに貢献してきた事実、従属的政策を進める政権の屋台骨であった事実を、この従属理論の大家はお忘れになってしまったのだろうか?「人民」の名により、そんな軍部の提灯持ちに成り下がった「左翼」の惨状は見るに堪えない。
 アミンに限らず、今回の政変に対するエジプトのエリート・知識人らの評価を見るにつけ(総体がそうだとは断定できないが)、過去数十年にわたり軍部が果たしてきた役割に対する冷静な判断力を失うほどに、イスラーム主義者を嫌悪していることが伝わる。国民の分裂が深まったことは確かだ。