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尋常ではない警察の弾圧 小倉利丸(2008年10月)

10月26日に反戦と抵抗の祭〈フェスタ〉のプレ企画が実施した麻生首相宅見学ツアーの参加者3名が逮捕された。その経緯は以下の弾劾声明に詳しい。7月のG8サミットに対する反対デモの際にも、サウンドデモのDJとサウンドカー運転手の逮捕の際に見られたことだが、最近の警察は、容疑事実などなくてもお構いなしに逮捕し、メディアには公務執行妨害などの容疑を発表し、あたかもそうした事実があるかのようにアピールする。逮捕者を長期勾留するなどの嫌がらせ目的としかいいようのないことが続いている。

以下の反天皇制運動連絡会の声明にあるように、メディアの報道は警察発表の鵜呑みだ。朝日は「「麻生首相宅見に行こう」ネットで募り無届けデモ容疑」という見出しをつけて、以下のように報じている。

麻生太郎首相宅を見に行こうなどとネットで呼び掛け、無届けの集会やデモをしたなどとして、警視庁は26日、男3人を都公安条例違反や公務執行妨害などの疑いで現行犯逮捕した、と発表した。3人は調べに氏名なども黙秘しているという。

 公安部によると、1人の男は同日午後3時50分ごろ、事前に警察署に届けを出さず、渋谷駅ハチ公口の広場で集会し、デモをした疑いがある。同庁は主催者の1人とみている。また、ほかの2人は、この男の逮捕を阻止しようとして警察官に抵抗し、暴れるなどした疑いがある。


この朝日の報道は、警察発表をそのまま報道しているだけであって、メディアとしての独自の取材とみられるものはなにもない。主催者側の主張や言い分を取材するつもりもないようだ。さらにこの記事には以下のような部分がある。

同日夜、渋谷署の前には、逮捕された3人の仲間ら十数人が座り込み、入り口をふさぐ50人以上の警察官とにらみあった。麻生首相の似顔絵を描いたプラカードをあげながら「麻生太郎を糾弾する」「警察は金持ちの味方か」などとシュプレヒコールをあげ続けた。

これはたぶん、記者が直接当日の抗議行動の模様を見聞して書いたとみられるが、抗議行動の外形的な事柄のみしか報じられていない。問題は、逮捕容疑が正当か、不当か、なのであるから、この警察への抗議に参加した者たちの不当逮捕の言い分をきちんと取材すべきなのだ。不当な逮捕というならそれなりの言い分があるはずであって、そのことを取材を通じて把握し、警察との言い分の違いを踏まえて、メディアなりに真実を探るというごく当たり前のことがまったくできていない。これでは、朝日の記事は警察の手先だとみなされても致し方あるまい。

警察は、朝日が「無届デモ」と報じているのとは逆に、麻生宅への行動をすべて事前に主催者側から通知されて、相談すらしているのだ。この経緯は以下の主催者の弾劾声明にも書かれている。こうした事実を把握せず、「無届デモ」などという警察発表を鵜呑みにすることでいいのか。マスメディアの報道がどれだけ私たちの市民的自由を奪うことに加担しているか、その責任は極めて重い。

小倉利丸氏のブログ「No More Capitalism」(2008年10月31日投稿)より転載
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